【ルール】カーネギー

カーネギーは実業家アンドリュー・カーネギーを基にしたボードゲームです。スコットランドで生まれアメリカで鉄鋼王と呼ばれた彼が生前になしたアメリカ鉄道網の発展や大学や図書館の整備をはじめとした多大な寄付で知られる人物です。また、2024年現在日本製鉄による買収提案により揺れるUSスチールの礎を作ったことでも知られます。


日本語版は数奇ゲームスより出版。数奇ゲームス直販での販売もあったためKickstarterのDeluxe editionをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

親番プレーヤーがアクションを選択するため、他プレイヤーの動きの把握とどんなアクションが選択されても大事故を起こさないような取り回しが要求される高度なゲームです。


全て上手にやろうとするとなかなか大変なものの、ルール事態はシンプルでわかりやすいため老若男女問わずお勧めできる作品です。重ゲーへの入門にいかがでしょうか?



それではルールの説明です。

全体像

ラウンドは全20ラウンド。得られた勝利点が最大のプレーヤーが勝利します。

アメリカを東西南北にわけ、それぞれの地域で移動手段の向上や建物を建設して発展させることを目指します。

勝利点は各地域の移動手段と建物の都市間のつながりや建物の建設自体、加えて寄付によって得ることができます。オフィスの拡大や一定以上の研究・開発と出張者の帰任時に得ることもできます。

アクションは以下4種類。親プレイヤーの選択によって決まります。加えて、アクションに付随して寄付か特定の地域への出張者の帰任が選択できます。寄付や帰任はアクションごとに指定され、事前公開されています。

 人事部門:人を雇ったり、部署間の異動をさせたりします。従業員の教育(アクティブ化)に資金を必要とします。

 管理部門:新しい部署を得たり、資材や資金を調達します。部署と呼ばれるタイルを新規で配置することで行うことができるアクションの種類を増やしたりより効果の高いアクションを行うことができます。

 建設部門:公共インフラ、工場、銀行、住宅を建てるアクションを中心に行えます。建設には資材を必要とします。

 研究・開発部門:研究を進め、鉄道を各地域で利用できるようにしたり建設できる建物を増やすことができます。

 寄付:教育・人権・福祉・健康の4分野への寄付となります。寄付は勝利点に直結しますが、回数が増えるごとに必要な資金が増えていきます。

 帰任:アクションでメインボード各地域へ出張させた従業員をプレイヤーボードのロビーへ移動します。各地地域の鉄道トラックの進捗度合いとプレイヤーボードの建設に従ってボーナスを取得します。

アクションの実行は対応する部門のマークが描かれた部署で働いている(アクティブになっている)従業員の数だけ行うことができ、従業員をオフィスで働かせるタイルや出張させるタイル、またはどちらかをアクションごとに選ぶタイルがあります。出張は強力ですが、帰任のタイミングが読めなかったり、同一アクションを行うには再度従業員を教育しタイルに配置する必要があります。

全員が同時にアクションするためダウンタイムが短いのも魅力です。


細かいルール

 出張者帰任時のボーナスは鉄道の進捗に関しては帰任する従業員の人数分取得しますが、建設済ボーナスは従業員の人数に限らず1度のみです。


拡張

本作ではミニ拡張が出ています。拡張では、部署タイルが増え楽しさが倍増するのと、スタートプレイヤーが競り方式になったり初期資源を決められた資源内でやりくりしたりといった変更が加えられています。価格もさほどではないので、基本をプレイして気に入った方には是非お勧めしたい拡張です。


カーネギー最大の特徴

様々な要素がありますが、個人的には出張とそれに伴う帰任が最大の特徴だと考えています。自身が行いたいアクションが他プレイヤーの出張者の帰任につながり、自分だけみると最適手なのに相対的には弱いアクションとなってしまうということが起こりえます。これは面白いです。


プレイ人数、複雑さ

BGGでは執筆時4人がベストなプレイ人数となっています。とはいえ2-3人が合わないというわけではなく、2-3人プレイでもお勧め以上が9割を占めています。同時アクションで人数が変わってもプレイ時間はほぼ変わらないですし、他プレイヤーの親番の回数が増えこのゲームの醍醐味である望まないアクションが選択された際の悩ましさが増すので私も4人のプレイをお勧めします。なお、2-3人では都市のディスクを置くことができる場所と寄付スペースが減りますが、そこまでの影響はないのでおすすめ9割以上も納得です。

また、ユーザー投票による複雑度は複雑度3.81/5です。また、スコアは8.0で非常に高評価です。

よし



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